震度6強から7まで大丈夫…よくある住宅会社の説明の根拠は?

耐震等級

品確法(住宅の品質確保等に関する法律)の「耐震等級」の補足解説で震度6〜7で倒壊、崩壊等しない程度とされていますが、実際に建てられる一棟一棟の住宅が確実に震度6〜7で倒壊しないことを証明、保証するものではありません。

 

等級 表示内容 補足解説
3 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工例第88条第3項に定めるもの)の1.5倍の力に対し倒壊、崩壊しない程度

関東大震災の震度7(最大震度)、加速度約600ガル程度に対して倒壊、崩壊等しない程度

  • 関東大震災程度(建築基準法施工例第88条第3項)の1.5倍
2 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工例第88条第3項に定めるもの)の1.25倍の力に対し倒壊、崩壊しない程度

阪神淡路大震災の神戸における揺れに対し倒壊しない強度である震度7(最大震度)、約500ガル程度に対して倒壊、崩壊等しない程度

  • 関東大震災程度(建築基準法施工例第88条第3項)の1.25倍
1 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工例第88条第3項に定めるもの)に対し倒壊、崩壊しない程度

関東大震災の小田原で観測された揺れに相当する震度6強から震度7程度、約400ガル程度に対して倒壊、崩壊等しない程度

  • 関東大震災程度(建築基準法施工例第88条第3項)
  • 【耐震等級2・3】住宅性能表示を取得 長期優良住宅
  • 【耐震等級1】建築基準法(仕様規定・略算法)→ 新耐震基準(2000年)

 

熊本地震で倒壊した住宅実例

右の写真は、築5年の耐震等級2の基準で建てられた長期優良住宅が熊本地震で倒壊した例です。

熊本地震で倒壊した耐震等級2の住宅

 

 

国の地震の想定には矛盾が

新耐震の想定は阪神淡路の半分程度

地震の力の強さは、マグニチュード、震度、ガル(加速度)などいろいろな単位で表現されますが、住宅にかかる力の大きさは加速度と周期の関係をグラフにした加速度応答スペクトルの波の大きさで比較できます。加速度(ガル)が大きくても一瞬であれば大きな力にはなりません。

 

新耐震基準(耐震等級1)で倒壊しない地震の大きさは法律で決められていますが、阪神淡路大震災の地震の半分程度しかありません。

新耐震の想定グラフ

 

地震波 稀地震 極希地震 JMA神戸NS
変位 9.1㎝ 45㎝ 26㎝
速度 12㎝/s 62㎝/s 93m/s
加速度 101gal 503gal 820gal

 

近年発生の震度7地震

阪神淡路大震災程度の地震は数年に一度発生しています。

 

日本では明治以来120年間で1,000名以上の犠牲者が出た大地震が12回起きています。さらに観測が進んだ近年に限っても、阪神淡路大震災の地震と同様の力を持つ大地震が多く発生しています。

熊本県益城町宮園での本震グラフ

 

地震の力

一般的な耐震等級3は、新耐震基準の地震の想定を1.5倍にしたものです。ただし、1.5倍にしてもなお、阪神淡路大震災の地震の力には届きません。

 

我々は阪神淡路大震災より25%大きい地震でも倒壊しない住宅が最低限必要だと考えます

地震の力を現すグラフ

 

 

wallstatを住宅の耐震性の見える化に活用

耐震等級を満たしていても住宅が倒壊する恐れがあることから、wallstatで耐震性能を見て確認していただきたいと考えています。

 

新築住宅は『設計段階で必ず揺らしましょう!』、お住いの住宅やリフォームをお考えなら『揺らしてみませんか?』を合言葉に地震に備えましょう。

 

wallstatで耐震性能の見える化

木造住宅が地震時にどうなるかシミュレーションでき、耐震性能に関して明確に回答します。

シミュレーション

 

 

振動台実験による精度検査(3階建て木造住宅)

 

耐震研究所で震動体験しませんか?計画中やお住いの住宅のプランをお送りください。

 

 

Wallstat(ウォールスタット)耐震シュミレーション